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RANGE- 知識の「幅」が最強の武器になる【感想・要約】

知識の「幅」が最強の武器になる ゼネラリスト スペシャリスト 実用書

今回読了した本は「RANGE- 知識の「幅」が最強の武器になる」という本です。

現代では専門性が求められる風潮が強いですが、本書によると優れた問題解決法を見出すカギは知識の「幅」、つまり多種多様な知識にあると述べられています。

しかし、専門性が高いことを「良くない」と言っているのではありません。

「専門的な知識」と「多種多様な知識」は、それぞれ得意な状況が違うというのです。

この本では主に、幅広い知識がどのように役立つのかが解説されています。

感想

参考になった点

一番感じたのは「成功を急ぐな」ということです。

時間をかけて多くの知識を蓄える中で興味のある分野を見つけ、学んだ知識を統合することが物事に上手く取り組むこつなのだと学べました。

ますます読書の必要性を感じましたね。

読む本のジャンルが偏らないように、時々趣向をあえて変える工夫が必要になりそうです。

本書の概要

著者:デイビッド・エプスタイン

アメリカの科学ジャーナリスト。ネットメディアのプロパブリカ記者、元スポーツ・イラストレイテッド詩シニア・ライター。同誌でスポーツ科学、医学、オリンピック競技などの分野を担当し、調査報道で注目を集める。記事の受賞歴も多い。コロンビア大学大学院修士課程修了(環境科学、ジャーナリズム)。著書に『スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?アスリートの科学』(早川書房)がある。

知識の「幅」が最強の武器になる 447ページ

本書の狙い

先述したように、知識は幅広く持つことで問題解決力が高まります。

様々な視点から物事を分析することの有用性を、多くの事例を解説しながら読者に気付かせることが本書の狙いです。

要約

一つを極めるよりも、複数の経験が重要

1万時間の法則はご存じでしょうか?

あることを極めるには、それに1万時間費やすべきだという考えです。

テニスを極めたいならテニスの練習を1万時間するといった感じですね。

しかし、それは必ずしも正解とはいえないと本書で述べられています。

実際は多くのジャンルに触れてから、自分の興味のあることを取捨選択したほうが長期的な成功につながりやすいことがわかっています。

専門知識にこだわるとバイアスにとらわれる

専門知識だけを勉強すると、「自分が勉強してきたことが正しい」と思い込んでしまう傾向があります。

職場の嫌な先輩や、頑固な人もこれに陥っていることが多いです。

これは確証バイアスと呼ばれており、どんなに賢い人でもこれにとらわれてしまいます。

この思い込みを防ぐには思考の柔軟性、幅広い知識をもとした多様な視点が重要です。

「専門的な知識」と「幅広い知識」は活躍する状況が異なる

専門的な知識は、目的が明確な状況で活躍します。

例えば、事務作業やプログラミングなどでは、エクセルの知識やコーディングの知識があればあるほど効率的に業務ができます。

一方、幅広い知識が真価を発揮するのは不確実な状況下です。

音楽や物づくりのようなクリエイティビティが求められる分野では、知識の幅が広いほどそれらにインスピレーションを受けやすくなります。

また、答えの出にくい問題に直面した時、専門知識だけではその範囲の中でしか考えられませんが、知識が多いとその分だけ多くの視点から分析できます。

専門知識と幅広い知識の両刀が最強

あることに対する専門知識を持ちながらも幅広い知識を持っている人を、本書ではポリマス=博識家と呼んでいます。

いうまでもなく、先述した2つの特徴を併せ持っているのだからこれが最強なんじゃないでしょうか。

要は、未知の分野について好奇心を持って学び続けることが重要ということです。

まとめ

専門性が求められ「すぎ」ている現代に警鐘を鳴らす1冊です。

手に職をつけるために専門知識を早く身に着けたいという方もいると思いますが、あえて他のことにも手を出してみると新しい発見があるかもしれません。

私も学生時代は専門知識しか見えておらず、この本を読んで後悔の念を感じました。

お盆やシルバーウィークで長期休暇がある方は、これを機に「興味はあったけど手を付けていないこと」に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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